生活

にゃー

発達障害×非行少年から考える

今回ネットで話題になっていたこの本を読んでみました。

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この本は、本の著者が「少年院法務技官」を担当していた頃の話です。

 

突然ですが、貴方にとって"少年院にいる子供"に対してどういうイメージがありますか?

 

・「やんちゃ」

・「悪い子」

・「教育の敗北」

など悪いイメージがあると思います。 

 

①「反省以前」の子供たち

 

Q「なぜケーキの切れない非行少年たち」というタイトルなの?

著者は少年院の子供達にケーキを三等分するよう課題を出しました。

 

▼少年院の子供達が三等分した例

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このような切り方は小学校低学年の子供たちや知的障害をもった子供の中に時々見られるそうです。

問題なのはこのような切り方をしているのが、強盗、強姦、殺人事件など凶悪犯罪を起こしている中学生・高校生の年齢の非行少年たちだ、ということです。

社会で多くの挫折をし、生きづらさにも気付かれず特別な配慮が無かったため最終的に非行化し少年院に送られます。少年院でも「反省」を強いられ、知的等の問題で理解されないというのが現状でした。

 

発達障害、知的障害の理解度について

 

発達障害の特徴とは 

ADHD…(注意欠陥・多動性障害)

・じっとしていられない

・思いつくとすぐ行動

自閉症スペクトラム障害ASD

・他人とのコミニュケーションが出来ない

学習障害(LD)

・「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力に困難が生じる

 

発達障害の特徴を見て「いやいや誰だって苦手なことがあるし、個性でしょ。」

と思う方も沢山いると思います。聴覚障害を持っている私の母も

聴覚障害、盲目などの障害は障害だけどこういうのは障害じゃないでしょ。」と言うほど。発達障害等の理解度については世論的にはまだ浅いんだなと思いました。

 

③子供達が発しているサイン

・すぐにカッとなる

・人とのコミニュケーションが出来ない

・集団行動が出来ない

・忘れ物が多い

・集中できない

・漢字が覚えられない

・自信がない

・じっと座っていられない

 

これらは家庭や学校生活から見られると思います。周りからは 出来ない子 と見られるだけです。

 

罪を犯して逮捕された16歳の少年の言葉を紹介します。私はこの言葉を読んで衝撃的でした。

 

「勉強でイライラしてしまう。塾にも通ったけどストレスが溜まって悪いことをやった。もし特別に支援を受けていたらストレスが溜まらなかったと思う。手帳を取れるなら取りたい。」 

 

彼は自ら特別支援教育療育手帳に必要性を感じていました。訴え続けていたと思うと本当に胸が苦しい。もし、周りが気づいてくれ特別支援教育を受けていたら?と考えると今の彼は少年院には入ってなかっただろうし被害者も作らなかったと思います。

 

④大人でも

発達障害や知的障害等を持っているのは子供だけではありません。ADHD &鬱病を持った大学生の友達がいました。

【特徴】

月1回病院通い

・薬は1日16錠

・大学に来るのは月3回

・財布をよく忘れてしまう

・親から貰ったお小遣い200万を半年で使い果たしてしまった

・母が鬱病(遺伝の可能性)

 

「思いつきが多く頭の中の思考回路が止まらない。薬が無いと本当にきつい。」と辛い症状を語っていました。

 

そんな症状を持っている彼女には得意なことがあります。それは 読書 です。発達障害は、「漢字が読めない,じっとしていられない」という特徴がありますが、家には小説や哲学書など部屋いっぱい埋め尽くすほど本が沢山並んでいます。

彼女は今も治療を受けながら少しずつ症状を治しています。

 

⑤認知機能トレーニン

→犯罪を減らすことに繋がる

 

このような4つのペットボトルを用意します。

怒りのペットボトルの容量を1番多くします。

(図が雑ですみません)

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これらを袋に入れ少年達に担がせます。

担いでいると重くてしんどいです。

こうすることで「気持ちを出さずに溜め込むことはこんなにしんどいんだよ」と身体で感じてもらうことが出来ます。

 

次に1本ずつ袋からペットボトルを出していくと少しずつ身体が楽になります。

中でも"怒り"のペットボトルを出すことによってすごく楽になります。

 

⑥最後に

発達障害についてまだ世論に 個性 と捉えてしまいがちだと思います。

 

芸能人やスティーブ・ジョブズのように、個性を伸ばし素晴らしい結果を出せる人もいますが、彼、彼女たちは発達障害としての生きづらさを抱えている事を忘れないで欲しいです。

 

発達障害の人は、周りの人からは 変わり者 と見られます。周りの人、親からも気づかれず、社会全体から見離されまだ経験不足、視野が狭い小さな子供の心に生きづらさを重く抱え 鬱 になる子供もいます。その為には発達障害、知的障害等を理解し、早期診断と特別支援教育を受けやすくするのが一番だと思います。

 

また日本では10人に1人が「鬱病と診断されたことがある」という結果が出ています。我慢強いストレス社会であるこの世の中を、社会が社会を支え合う世の中になって欲しいと思います